陳列計画の実施(棚割計画の作成)

FAQ

 

棚割システムを利用することで、カテゴリー・キャプテンと恊働して標準棚割を各店舗に展開することが容易になります。さらに、CPMのアラート情報を活用することで、商品改廃を促進し、売場生産性を向上させます。


  1. 1.標準棚割パターンの作成

まず、自社が展開する店舗の商圏特性や店舗規模を考慮して、標準棚割パターンを定義します。例えば、フラグシップ店、郊外大型店、郊外中型店、都心狭小店、海水浴場に近い大型店のように当該カテゴリー品揃えを類型化します。 標準棚割の数は、商圏特性と店舗規模の類型に依存しますが、分析の手間を考慮すると、カテゴリーごとに数パターン、多くても10パターン以下に抑えることが現実的と考えられます。

次に、標準棚割パターンに対して、商品を登録して、品揃えを定義します。商品登録の際には、カテゴリーの下位属性(商品、フェイス数、段積み、陳列位置等)を決定します。 さらに、商品に対して、 サブカテゴリー、セグメント等の分類体系を必要に応じて付与します。フェイス数を決定する際には、CPMの最適基準在庫数に基づく推奨フェイス数が算出されているので、参考にします。

最後に、標準棚割に対して、該当する店舗を割り当てます。例えば、郊外型大型店に対して、 標準棚割の「4本パターン」を選択して登録することになります。

以上の作業によって、カテゴリーごとの標準棚割と店舗との関係(標準棚割パターン)が定義されます。


  1. 2.店舗での棚割修正

標準棚割は、店舗の物理的な制約によって、その通りに陳列できるとは限りません。その場合は、店舗の判断で陳列位置やフェイス数を調整することを認めます。(店舗で棚割りを調整したときには、変更内容が棚割システムにフィードバックされて本部でも把握できるようにすることが望ましいわけですが、それは必ずしも必須条件ではありません。)

参考1)店舗での棚割修正をフィードバックしない場合の自動発注への影響

  1. CPMシステムの発注計算は、フェイス数を最低陳列数として認識しますが、基本的には需要予測に基づいて基準在庫が算出されるので、フェイス数の少々の相違による影響は無視することができます。したがって、店舗での変更内容がフィードバックされなくても、運用上の問題が発生することはありません。ただし、エンド展開などで、実需を上回るボリューム陳列をしたい場合などは、そのフェイス数(最低在庫数)を棚割システムにフィードバックすれば、ボリューム陳列を維持する自動発注を生成できますが、そうでなければ、実需に対応する在庫数まで徐々に在庫が減っていくという問題が発生します。基本的には、エンド棚割りを作成すれば何も問題ないわけですが、エンドは店舗で柔軟に運用し、マニュアル発注でカバーすることも一つの解決策でしょう。

参考2) 店舗での棚割変更内容の棚割システムへの反映

  1. 棚割変更内容を棚割システムにフィードバックすることは必須ではありませんが、フィードバックする場合には、作業の負担が少なく、かつ、正確性も確保されるように手順を整備しなくてはなりません。最も効果的なツールはタブレット端末を利用することでしょう。

  2. JANコードをスキャンすることで、当該商品の販売情報や陳列位置情報などを売場の前で照会することができます。

  3. 陳列位置を選択すると対応するプラノグラムが表示されます。陳列位置をドラッグして移動したりフェイス数を変更したりすることができます。

  4. 更新された内容は、棚割システムに送信されます。


  1. 3.棚割分析(売場生産性分析)の手順

まず、対象店舗のカテゴリー別売場生産性を表示します。対象店舗は、全店から始めることが普通です。表示されたリストを粗利生産性でソートすることで、全社的に生産性の低いカテゴリーやスペースを広くとっているにもかかわらず生産性が高くないカテゴリーなどが明らかになります。

以上のクロス分析によって、重点的に改善すべきカテゴリーを決定します。

次に、カテゴリーの標準棚割ごとに売場生産性を分析します。

まず、分析対象とするカテゴリーを選択します。次に、選択可能な標準棚割が表示されるので選択します。すると、標準棚割に対応した店舗グループの売場生産性が表示されます。さらに、カテゴリーの下位属性(サブカテゴリー、セグメント、商品)が表示されるので、例えば商品を選択すると、商品別生産性が表示されます。そこで、粗利生産性でソートすれば、商品の粗利生産性や推奨フェイス数を評価することができます。


  1. 4.売場生産性を改善するための取り組み

  2. (1)商品改廃:カテゴリーのコンセプトに適合した品揃えを構成した上で、粗利生産性の低い商品は適宜改廃することで新陳代謝を促進します。

  3. (2)フェイス数の見直し:期中の販売動向に応じて、当初設定されたフェイス数を変更します。

  4. (3)売価設定の見直し:粗利生産性の高い商品をいくつか選択し、最適売価を探索するためのテストマーケティングを実施します。商品の値ごろ感を改善することで、需要の拡大と粗利の増加をともに期待することができます。また、粗利弾力性の低い特売商品を抽出し、特売をする代わりに最適売価でEDLP化します。

  5. (4)死に筋発注停止アラート対応:CPMシステムで発注停止になっている商品を改廃すべきか検討します。

参考3)死に筋発注停止商品の改廃手順

  1. CPMの画面で改廃する商品を選択すると、それが棚割システムにインタエースされて改廃処理ができるようになります。

  2. 棚割システムで商品改廃を操作し、棚割りを変更すると、棚入れ計画と棚落ち計画がCPMシステムにインタフェースされます。CPMシステムは、棚入れ品の棚入れ計画に基づき、棚入れ日に納品が間に合う自動発注を生成します。棚落ち品については、棚落ち日に向けて基準在庫が抑制されながら発注が停止します。